冷蔵庫が冷える基本的な仕組みとは?庫内を冷やしてくれる冷凍サイクルを知ろう
台所に当たり前のように置かれているのが、食材を大切に保存してくれる「冷蔵庫」です。
毎日スーパーから買ってきた食材を何気なく入れて使っているかと思いますが、冷蔵庫の中ってどのように冷やされているのか、ふと疑問に思ったことってありませんか?
アイロンや扇風機のように、電気を使って熱をつくり出すのはなんとなくわかるけれど、どのような仕組みで冷やされているかは、よくわからないですよね。
そこで、冷蔵庫が食材を冷やす基本的な仕組みを、わかりやすく解説したいと思います。
冷蔵庫が食材を冷やす基本的な仕組みとは?
冷蔵庫の基本的な機能として、庫内の熱を外に出して、中に入れた食品を冷やすことです。
「そんなことぐらいわかっているよ〜!」って声が聞こえてきそうですが、冷蔵庫の冷える仕組みをひと言で言うと、「気化熱」で冷やされています。
気化熱は「蒸発熱」とも言われており、液体の物質が気体になるときに周囲から吸収する熱のことです。液体が蒸発するためには熱が必要になります。その熱は、液体が接しているものから奪って蒸発していくのです。
気化熱をわかりやすい事例であらわすと、子どもの頃に、予防注射のときに肌をアルコール消毒すると、ひんやりと感じたことがあるかと思います。
他にもお風呂上がりに「早く体を拭かないと風邪引いちゃうわよ。」と言われたことがあるかと思います。せっかくポカポカになったのに、濡れたままだと体が冷えてきます。
体が濡れたりすると、体がなぜ冷えてくるのでしょうか?
その原因が「気化熱」なのです。
だから体が濡れたままでいると、体の表面の水滴が体温をうばって蒸発しようとするから寒くなっていくのです。熱を与えるのではなく、逆に熱を奪ってしまうのです。
この熱を奪う仕組みを上手に利用して、冷蔵庫は食材をヒエヒエに冷やしてくれるのです。
冷蔵庫が冷える仕組みは冷凍サイクル
庫内を冷やすために「冷媒(れいばい)」という熱の運搬役が、冷蔵庫の外と中を変化しながらぐるぐると回っています。冷蔵庫の外では液体、冷蔵庫の中では気体になります。
冷媒を液体から気体へ、また気体から液体へと変化させる一連の繰り返しを「冷凍サイクル」といいます。
冷凍サイクルの仕組み
冷凍サイクルは、以下の4つで構成されています。
- 圧縮機(コンプレッサー)
- 凝縮器(コンデンサー)
- 膨張弁(キャピラリーチューブ)
- 蒸発器(エボパレーター)
気化した冷媒に圧力をかけて(圧縮)、そのあとに放熱させて液化(凝縮)させます。この液化した冷媒を膨張弁で減圧し蒸発しやすい状態にして、気化(蒸発)させることにより、再び熱を奪い取るサイクルを繰り返します。
気化熱で冷蔵庫の中を冷やし、代わりに冷蔵庫の外に熱を出すシステムによって、冷蔵庫は動いているのです。
庫内の熱を庫外に放出することによって、庫内を低温に保ってくれているのですね。
現在は環境に優しいノンフロン冷蔵庫が主流
周囲の熱を奪う気化熱を利用して庫内を冷やしているなんて、冷蔵庫って物質の特性を上手に活かして作られていることがよくわかります。
冷蔵庫を冷やす冷媒も、かつてはフロン(CFC-12)が使われていましたが、現在は地球温暖化対策の観点から、冷媒や断熱材にフロンを使用しない「ノンフロン冷蔵庫」が主流となりました。
断熱性の向上や大容量化のために真空断熱材が搭載され、省エネ技術が進んだことにより、電気代が節約できるようになりました。
冷蔵庫を毎日使う私達にとって、ますますうれしいですよね。
冷蔵庫は食品をより長く保存することが最大の目的ですが、冷蔵庫の基本的な仕組みをしっかりと理解し、日々何気なく使っている冷蔵庫を上手に使っていきましょう。
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