2017年6月29日 -PR-

会社員を辞めた後に失ったものはいっぱいある。でも辞めた後の人生で得たものもいっぱいある

「会社員なんて、私はゼッタイに辞めないから。」

「私、正社員です。」と言えることが、ステータスだった時代・・。

正社員に対する妬みを恐ろしいほど持ち、憧れをずっと抱いていた私として、1度得た「切符」を手放すことなんて、まったく考えられませんでした。

しかし、いつどんな「人生の転機」が起こるかなんて、わかったものではありません。

辞表を人事部に出す夢を何度も見て、汗だくになりながら何度もハッと目を覚ましていた私だったのに、本当に辞表を出して退職することに・・。

会社員を退職してフリーランスになって3年目になりますが、今、ふと落ち着いて考えてみると、失ったもの、得たもの、色々あったなぁと考えているのです。

仕事上で1番失ったなと思えることは、大金が動く仕事

私は今まで色んな職種に関わってきましたが、1番長く就いていた職種が、機械設計の部署で開発に携わる仕事です。

モノづくりの現場で1番大切なのが、開発プロジェクトを立ち上げる時に決める予算や人員、マーケティングなどの初期の部分です。

プロジェクトを1つ立ち上げるだけでも、何千万円、いや、何億円という大金が動くことが多いです。

計画を立てて上の人の許可をもらうために、あぁでもない、こうでもないと、予算削減に頭を悩ませて、ようやく認められた時の達成感は格別なものです。

何億円ものお金なんて、個人の手では決して動かすことはできません。動かせる人も中にはいるかもしれませんが、本当に1部の人に限られているでしょう。

1人の力と何十人、何百人で関わる組織力のすごさは、やはり規模も金額のケタも違いますし、達成感もまったく比べ物になりません。

プロジェクトが失敗することも多々ありましたが(汗)、涙を流しながら頑張って成功した後に飲み交わすひとときは、この上ないぐらい楽しかったです。

今は1人でマーケティングから考えて、少ない予算で立ち上げて、1人で達成感を味わい、1人で第3の缶ビールで乾杯ですからね(笑)

1人でできることって限界があるよなと、つくづく感じている次第なのです。

自分の固定的な居場所が外に出るとない

フリーランスと言っても色んな働き方がありますが、私はパソコンがあれば何とか仕事ができる状態ではあります。

今1番の居場所と言えば、自宅です。

自宅の中の環境をしっかりとオフィス仕様に整えてあげることで、自分だけの仕事場が完成します。

と言っても、狭いリビングの中で子供2人分の机が置いてあり、私の作業デスクなんて窓際に小ちゃくあるだけで、まさに窓際に追いやられた「窓際族」です・・。

家で仕事をする分にはいいのですが、打ち合わせや取材などが入ることで、いつも家にいるわけではありません。

いったん外に出ると、自分の固定的な居場所はどこにもありません。

「今日はどこで仕事をしたらいいのだろう・・?」

電源があるカフェに行っても、電源がある席はすでに埋まっていたり、さらに違うカフェに行っても満席だったり、ウロウロとする時間が増えただけです。

会社員の時は、自分のために用意された机やイス、パソコンがありました。事務用品、トイレに電気ポット、コピー機やFAXなど自由に使うことができました。

1度外に出ると、居場所を作るためにコーヒー代が発生します。事務用品もコピー機も全部自腹で払わないといけません。

固定的な場所を維持するために、コワーキングスペースもありますが、居場所作りのためにお金が発生するようになってしまったのです。

これがチリも積もれば山となるで、どんどん膨れ上がっていきます。経費にもできますが、会社員の時には決して発生しなかった出費です。

自分のために用意された机が、こんなにもありがたいものだったとは!

外での固定的な場所を、私は失ってしまいました。

「居場所」があることのすばらしさ、ありがたさを心の底からヒシヒシと感じているのです。

在宅ワーク主婦の働く環境って難しい。現在のライフスタイルに働き方も合わせることも必要だと思うこと

会社員を辞めてから得たものは、時間のコントロール

会社員を辞めてから1番多く得たものと言えば、圧倒的に自分でコントロールできる時間です。

9時までに会社に行かなくちゃと、ギューギュー詰めの無機質過ぎる満員電車に乗らなくてもよくなったことは、余計なストレスがなくなりました。

月曜日が訪れることがこの上なく怖かったのですが、今の私は月曜日が来ることが待ち遠してくたまりません。

仕事がつらい時の心が軽くなる乗り越え方。朝や月曜日がしんどいのは嫌いなことをしているから

子供達が学校に行っている間に、自分が心の底から好きだと思える仕事にずっと関われるからです。

子供が「ただいま〜!」って言うと、「え?もう学校から帰ってきたの?」と思ってしまうぐらい、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

会社員の時は「まだ14時?」でしたから(笑)、どれだけ仕事を楽しんでいるかがよくわかります。

子供が帰ってきたら、そこで仕事は終了です。

一緒に宿題をやったり、習い事を見に行ったり。金銭教育と食育を兼ねて、スーパーに買い物に行って一緒に晩ご飯を作ったり・・。

仕事時間を自分でコントロールできることは、フリーランスになってから得られたことです。

人間って、自分の思い通りにならないことでイライラにつながり、ストレスを強く感じていくようになります。強く我慢しすぎると、精神的にも参ってきます。

自分の気分が乗っている時に仕事をし、やめたいと思った時にやめられる今のスタイルは、会社員の時にはなかったことです。

あ、有給休暇がないのは半端なくキツイですけれどね・・。でも、仕事自体が苦じゃないので、有給休暇なんていらないほど楽しんでいます。

時間のコントロールが心のコントールにつながっていくことで、精神的な安らぎを得られるようになったことはとても大きなことでした。

今まで出会えなかったような人とのつながりが得られた

会社員の時は、毎日、毎日、毎日!!イヤな人とも顔を合わせないといけません。

苦痛です。メッチャ病んできます・・。

私は今まで散々色んな職場を渡り歩いてきましたが、同じ人としか会っていないと、毎回ほぼ同じ内容の会話しかしていなかったです。

仕事も一緒。
お昼も一緒。
残業も一緒。

思考がコッチコッチに凝り固まった、ごく狭い知識しか身につけることができません。人間関係が広がっていかないのですね。

しかし、フリーランスになってから、異業種の方とたくさん交流することができるようになりました。

平日に専門学校にも行き出したことで、士業の人や会社を経営している人、専業主婦の方や医療関係の人、本当にたくさんの人とのつながりを得ることができたのです。

利害関係のない関係って、こんなにも居心地がよかったのかと・・。

利害関係のない人間関係を築くことの大切さ。心の窓を開けることで新鮮で心地よい関係が築ける

会社のデスク周りの人としか会話をしなかった私ですが、今は北海道から沖縄まで本当に色んな人との交流をすることができるようになりました。

 

しかし、必ずしも会った人と合うわけではないです。

私と考え方が合わなくて、離れて行った人もいっぱいいます。むしろ、離れていった人の方が多いです。

そんな中でも、宝のような出会いはいっぱいあります。私自身が今まで考えもしなかった発想、アイデア、仕事の仕方。メチャクチャ勉強になることばかりです。

最近は不特定多数の場ではなく、1対1でじっくりお会いする機会を積極的に持つようにし、自分の中で足りないものを濃くインプットするようにしています。

自分の中で凝り固まっていた思考が大爆発して粉々になり、新しい惑星が1つできあがるぐらいの「脳内革命」が起こることが多々あります。

会社員をやっていたらゼッタイお会い出来なかった素晴らしい方と、直接お会いできるようになったことは、フリーランスになったおかげです。

出会いは、心を温める「宝物」です。

1つ1つの貴重な出会いが、今までもろかった「人生の土台」を強く固く、まるで「層」のように積み重ねているのです。

失ったものもあるけれど、得られたことの方がとっても多い

悪夢の正夢かと思えたほど、人生の転機が訪れたことによって、正社員を辞めたことはしばらくショック状態で、心が受け入れることができませんでした。

慣れた仕事。
心地よい職場。
なじみある人間関係。

私は、すべてを失いました。

23歳で社会に出てから、新卒派遣、日雇いバイト、契約社員、ブラック企業の2重派遣社員、会社員、そしてフリーランスと色々やってきました。

色んなステージを渡り歩いてきた結果、会社員というステージに、私自身は2度と戻れないステージであるのではないかと、今現在は思っています。

組織力、社会的な信用力、組織でしか得られない福利厚生・・。色んなものを失ってきたことは確かです。失うことは、とっても悲しいです。

ただ会社員が安定的な働き方だとは、決して思っていません。これだけは経験上、ハッキリと言えます。

そしてフリーランスになって3年目が経過した今、雇用形態が不安定だから不安だとは感じていません。

ただ、不安がまったくないというのは、ウソです。でも不安はマイナスなことを考えるからでてきます。

今日も明日もあさっても、ずっと変化がなく同じ日々だったらつまらないじゃないですか?毎日がずっと同じだと「何のために生きているんだろう?」と、ふと考えてしまいます。

不安定だからこそ、明日はもっと楽しいことが起きるかもしれないのです。

仕事の目的が、100%お金目的で働くことも問題ないと思っています。仕事に求める価値観なんて、1人1人違って当たり前です。

でも私の場合、働き方を変えたことで「人」という財産をいっぱい得ることができました。仕事を失っても、きっと「人」が助けてくれると信じています(笑)

仕事は「人」と「人」でつながっています。
人によって支えられて人は生きていけます。

失ったものも多かったけれど、実は得られたものがいっぱいあったからこそ、今こうして充実感であふれた生き方ができています。

出会えた人に、本当に感謝、感謝です。

人生で失うものもあるけれど、失った分得るものもいっぱいある。

人は行動することで「今の宝物」を失いますが、「違う宝物」をさらに多く得ていくことができるのです。

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