高額療養費制度とは何?金額はどれぐらい支給されるの?実は事前申請を忘れると痛い出費に!
子供の頃の矯正治療に失敗し、大人になってから顎変形症の手術を受けました。
11日間の入院生活でしたが、まったく口は開かないし、鼻からも口からも呼吸できないし、死ぬかと思うほどの大手術でした。
顎変形症手術入院体験記。顔の腫れがおかめ納豆状態に!食べられることがこの上なく幸せだと思ったこと
アゴがとっても痛かったのですが、実はアゴだけではなく財布がイタイことに・・。
この手術を受ける時はとにかく恐怖心でいっぱいになってしまい、実は高額になる入院費用において、「高額療養費制度」の件で、とても大切なことを忘れていたのです。
「高額療養費制度」ってどんな制度がご存知ですか?
入院や手術などで「医療費が高額になったとき、どうしよう?」と、不安になってしまうことがあるかと思います。
医療機関等の窓口での支払いが高額な負担となった場合は、後から申請することにより、自己負担限度額を超えた額が払い戻される「高額療養費制度」という、とってもありがたい制度があります。
ポイントは、同一月に同一の医療機関の医療費の自己負担額が一定額(自己負担限度額)を超えた場合に、超えた部分について支給されることです。
70歳未満の人は、医療費の自己負担額が1か月、1人、1医療機関、1入院・通院ごとに21,000円以上でなければ、高額療養費の対象となる計算には含められません。
今回は70歳未満の方向けですが、70歳以上の方の場合は内容が異なります。加入している健康保険へ確認してください。
自己負担限度額は、所得区分によって変わります。
所得区分 | 自己負担限度額 | 多数回該当 |
---|---|---|
区分ア(標準報酬月額83万円以上) | 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% | 140,100円 |
区分イ(標準報酬月額53万~79万円) | 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% | 93,000円 |
区分ウ(標準報酬月額28万~50万円) | 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% | 44,400円 |
区分エ(標準報酬月額26万円以下) | 57,600円 | 44,400円 |
区分オ(低所得者) | 35,400円 | 24,600円 |
1年(直近12カ月)の間に同じ世帯で3回以上高額療養費に該当している場合は、多数回該当にあたり、医療費負担がさらに軽くなります。
自己負担限度額を計算してみよう
実際に、どれぐらいの額が戻ってくるか計算してみましょう。
例えば、年収400万円(区分ウ)の人だと、1か月辺りの自己負担限度額は、
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
の計算式になります。
仮に、医療費が50万円だとすると、
80,100円+(500,000円-267,000円)×1%=82,430円
が限度額になり、3割負担で15万円支払い済みだと、健康保険組合へ申請することで、
150,000円-82,430円=67,570円
が戻ってきます。
窓口での支払額を見て、あまりの金額の大きさにびっくり!
どうせ後からすぐに払い戻されることだし、無事に手術を終えることが先だと、高額療養費のことは、後から考えればいいや〜!と思っていたのです。
実際に手術を無事に終えて、11日間の入院生活を終えた私は、退院日に入院費用の支払いをすることにしました。
実際に窓口で支払いする額を見て、驚きの額でびっくり!
「えぇ、こんなに支払うの?!どうしよう!!お金足りないよ・・。」
高額療養費は、入院時の食事療養や差額ベッド代、先進医療にかかる費用、保険のきかない診療などは対象になりません。
大部屋ではなく個室、長期入院になればなるほど、入院費の支払いは高額になります。今回は個室を選択したため、かなりの金額に膨れ上がってしまったのです。
現金では払いきれず、自分の見積もり額の甘さを反省しながら、クレジットカードで支払いを済ませ、何とか無事に退院することができました。
「これは、早く申請して取り戻さなければ!」
しかし、この考えがとんでもなく甘いことが後からわかったのです。
国保の高額療養費の支給額のお知らせがこんなにも遅いとは!
高額療養費の申請方法ですが、加入している公的な健康保険に高額療養費の支給申請書を提出することで、支給が受けられます。
高額療養費の申請をしなくても、自動的に計算し、該当していれば口座へ振り込んでくれる健康保険もあるようです。
健康保険組合によっては、高額療養費が支給されるような場合に独自の付加給付を行っています。
実は私も利用したことがあるのに、すっかり忘れていました(汗)詳しいことは、加入している健康保険組合に確認してください。
国民健康保険では、高額療養費に該当するような場合、一般的に保険者である区市町村から申請書が送られてきます。
早く支給して欲しくて国保に問い合わせても、向こうからお知らせが来るのを待たないといけないのです。
これが、1か月、2か月待っても、全然やってこない!
役所からのお手紙が待ち遠しくて仕方がなかったのですが、実際に支給のお知らせが入っていたのが、退院から3か月経過してからでした。
市区町村によって違うかと思いますが、お知らせが来た後は、実際に市区町村の保険課の窓口に行くか、郵送で申請も可能でした。
私は郵送で手続きをし、実際に振り込まれたのがそのまた1か月後です。これは家計の大きな番狂わせです。
実際に高額療養費が振り込まれるのが、退院後4か月経過してからと、振り込まれるまでかなりの時間を要することになったのです。
払い戻しが遅い理由として、医療機関等から提出される診療報酬明細書(レセプト)の審査があるため、診療月から3か月以上かかるからです。
払い戻しまで時間がかかるため、高額療養費支給見込額の8割相当額を無利子で貸付する「高額医療費貸付制度」もあります。受付後2週間から3週間程度で、貸付金(高額療養費支給見込額の8割)が指定の口座に振り込まれます。
詳しくは、加入している健康保険組合に問い合わせて下さい。
痛い目に遭わないために!事前に「限度額適用認定証」の申請を
事前に余裕を持って支払いができる人はいいのですが、窓口での支払額を押さえたい方は、「限度額適用認定証」の申請を事前にしておきましょう。
限度額適用認定証があれば、医療機関の窓口に提示することで、自己負担限度額までの支払いで済みます。「限度額適用認定申請書」を加入している健康保険組合に申請することで、認定証が送られてきます。
私の場合、約1週間ほどで送られてきました。
実はこの入院から半年経った後に、再度入院することになったのです。
顎変形症2度目の手術体験記。恐怖心で迎えた金属プレート除去手術はどんな手術だったのか?
今回は事前に認定証を窓口に提示しておいたため、自己負担限度額での支払いで済ますことができました。
あるのとないのとでは、まったく違います。
本当に、助かりました。
入院の場合は経済的な負担が大きくなるため、事前に申請して限度額適用認定証を受け取っておくと良いでしょう。
「余裕を持って十分に準備をしておこう」
この心構えが、入院や手術に対しても余裕を持つことができ、家計の負担も減らすことができます。
痛い目に遭わないために、早めの準備を!
私のように慌てふためかないように、お金と心の準備はしっかりとするようにしてくださいね。
この記事が気に入ったら
いいね ! しよう