中年フリーター予備軍だった私が非正規から正社員に転職できた理由。あなたは30代未経験で不安なんて言ってられない
今の世の中は、労働者のうち3人に1人が非正規労働者になる時代です。
今は私と同じ世代である30代後半にあたる人たちが、正社員以外の就労形態で働いて生計を立てている、いわゆる「中年フリーター」が働き方の問題になっています。
中年なんて、もうおっさんのように言われる歳になったのかと、何だか妙に悲しくなってきてしまいます。
新しい世界に飛び込むために、若き戦士たちのメラメラと燃えていた炎を、ビュービューと吹き荒れる嵐が一瞬で消し去ってしまった時代がありました。
そんな寒すぎる時代の当事者だった私も、今思えば中年フリーター予備軍でした。
地面の下に投げ捨てられてしまった私が、どうやって井戸の中からはい上がってきたのでしょうか?
大学の就職相談室は、内定をあきらめる人の声でいっぱいに
時はバブル崩壊後の失われた10年と言われている、就職氷河期の時代です。
私と同じく、30代後半から40代前半が1993年から2004年頃までの極めて就職が難しかった時代です。
2002年の企業の景況感が失われた10年の中でも一番に悪く、私はまさにその1年先に就職活動を始めました。
「どこに行っても、新卒を募集していない。ガムシャラに受けるしかない。」
どんなに優秀な成績の人でも企業側が募集していないので、エントリーもすることができない状況です。
「いったいどこの会社が募集しているの?」
1990年代はじめにバブルが崩壊して、景気が一気に後退して業績がさがってから、人件費抑制に走る企業が増えました。
正社員で1度採用すると、辞めさせることは簡単なことではありません。
「新卒なんていらねーよ。そんな余裕なんてうちにない。」
こんな風にお金のない会社が、どんどん増えていったのです。
「もう内定取るなんて無理・・・。諦めるわ。そのままアルバイトでいい。」
同じクラスの同級生たちは、泣く泣く就職をあきらめていきました。
戦いにヘトヘトに疲れきってしまい、降伏して白旗をあげた戦士たちで、大学内はあふれかえっていました。
私も正社員の新卒採用を探すことに疲れ果ててしまい、そのまま新卒から派遣社員として働きはじめました。
新卒から派遣社員として働く疎外感の中で、突然リストラに遭う
新卒派遣というプログラムを利用して、ビジネスマナー、基本的なPCスキルなどの研修を受けた後に、派遣先の会社に派遣社員として働き始めました。
最初からタイムシートに時間を書いて、派遣先の上司に毎日ハンコをもらうという日々でした。
「私はこの会社の人ではないんだよな。」
同じ場所にいるのに、同じ組織にいない疎外感。
新卒という不安な気持ちの時から、同じ輪にいない不安感でいっぱいになりながら、働いていました。
しかし2002年という1番経済情勢が悪い年に、新卒組は契約解除とリストラをされて投げ出されてしまったのです。
たった半年で投げ出されてしまった私は、武器も何もないハダカの状態で、孤独な無人島にいるような喪失感に襲われたのでした。
非正規雇用の世界でブラック企業ばかりを渡り歩く
「このままどうして行ったらいいのだろう・・。」
スキルも何もない。
あるのは学歴だけ。
食いつなぐために日雇いバイトをしながら、転職サイトで何気なく見つけたIT系の会社に何とか入りました。
いわゆる新卒でもないけれど、若年層雇用である「第二新卒」という枠ですね。
しかし雇用形態は正社員なのに、なぜか派遣先で常駐して働く常駐派遣という形態でした。
まさにIT系の二重派遣プログラマーは、不夜城の世界です!
生理がひどいなどと身体的な理由で倒れない限り、平日は家に帰れず、土日も休めない状態が続きました。
ブラック企業の契約が終われば、次もブラック企業へ。
真っ黒い箱の中で、ギュウギュウに閉じ込められながら、必死にもがいて働き続けていたら、うつ病状態になってしまいました。
「このままでは自分がダメになってしまう!抜け出さないと。」
待遇がいいホワイトな企業じゃなくてもいい。
せめてブラック企業じゃなく、普通の場所へ。
泣く泣くですが、再度正社員から派遣社員に戻り、何とか真っ黒い箱から抜け出すことができたのです。
派遣社員から抜け出したい!井戸からはい上がる途中で武器を獲得
でもやっぱり新卒派遣の時と同じく、同じ組織にはいない疎外感を受けながら働いていました。
正社員の人よりどれだけ働いても、どれだけ改善しても、やっぱり新卒の正社員の人より下っ端扱いなのですよね。
私が目覚めたのは、26歳の時でした。
「もうこんな不安や不満だらけで働くのはイヤ!抜けだしてやる!」
DTPやデザインソフトを使いながら取説を作っていた私は、プログラマーもしていたこともあって、ものづくりに興味津々でした。
なぜか図面を書いてみたいという衝動に駆られてしまい、図面を書くソフト「CAD(キャド)」のスキルを磨くことにしたのです。
井戸の底から這い上がる途中で止まっていた私は、家では夜中まで猛勉強をはじめました。
触ったこともないソフトでしたが、無料のCADソフトを入れて触って覚え、「CAD利用技術者2級」という資格も取得しました。
そしてとうとう、CADオペレーターという求人を片っ端から受けまくり、未経験でも見事内定を勝ち取ったのです。
メキメキと頭角を伸ばしていって、オペレーターから設計をするまでさせてもらえるようになりました。
アルバイトで培った組織力、ブラック企業で培ったIT力、派遣時代に培った社会適応力が総合力となって開花しました。
真っ暗な井戸の中から、スポンっと出てきた瞬間でした。
新鮮な空気を吸った後は、明るい草原が広がっていました。
今悩んでいる中年フリーターは、20代で何か行動を起こしたか?
厚労省の統計によると、就職氷河期に正社員になれずに投げ出されてしまったけれど、実際にその後に正社員に就けた人は約47%と、半数もいません。
2000年頃から中年フリーターは増加して、今は非正規雇用者の全体の1割が中年フリーターが占めている状態です。
正社員になっても家庭や何らかの理由でうまくいかずに、また派遣社員やアルバイトなどに戻ってしまう人もいるということです。
どんな理由であれ、30代後半は「貧乏くじ世代」と言われているぐらい、生まれた年が悪かったとまで言われています。
貧乏くじを引いた世代が、気がついたら中年フリーターと呼ばれるように・・。
「このまま生きていくのが不安。」
「どこも雇ってはくれない。お先真っ暗。」
40代、50代になると、非正規雇用のままでは体力面が持たない不安でいっぱいになり、収入が低くて生活ができないと、一様になって不安になっているのが今の状況です。
待っているのは、生活保護への道しかない状態なのです。
でも、一部のやむを得ない状況の人をのぞいて、20代の時に何かしら正社員になれるチャンスはあったはずです。
若いからこそ、未経験でも入れた会社は1社でもあったはずなのです。
あなたは20代で、何か行動を起こしましたか?
抜け出したい思いで、必死になっていましたか?
他人や環境のせいにしてばかりで、お金は親に何とか頼って生きてきませんでしたか?
不安、生きられない、怖い。
この言葉だけでは、何も変えられないのです。
言っているだけでは、何も変わらないのです。
30代後半から職を見つけるために、何か解決策などないのでしょうか?
正社員になりたければ、求められる力は適応力
「中年フリーターなんて抜けだして、これから正社員になりたい!」
老後がとても不安だからこそ、安定した正社員になりたいと思っていても、企業はそんなに甘くはありません。
20代と30代後半と同じスキルの人とでは、年齢で区切る会社の方が断然多いです。
今まで正社員として組織の中で磨いてきた人と、フリーターとではあまりにも土俵が違います。
これから正社員になりたい人は、20代の若い部長の下でもイヤとも思わず謙遜して合わせて働ける適応力が求められます。
自分の方が年齢が上だからというプライドなんて、持ってはいけないってことです。
入ったらここで死ぬ気で貢献して働くという忠誠心を持って働く覚悟じゃないと、企業は目もくれないでしょう。
選んでなんてられませんよ、経験を積むことが大事です。
でも悲しい現実ですが、何も経験のない中年フリーターを雇ってくれる会社なんて少ない、いや、ないのが現実です。
「やっぱりもうダメなんじゃないか・・・。」
まずですね、あなたのこの気持ち、何とかなりませんか?
他に頼ることなく自活できるスキルを身につけていこう
「自分自身が悪かったから、ダメなんだ。」
自分が悪いと攻め続けていると、本当に自分はダメ人間なんだというレッテルを貼ることになってしまいます。
あなたが悪いのではなく、どんなに頑張ってもがいても無理だった時代背景が悪かったのです。
自分自身を傷つけてマイナスな気分に浸っているのは、今すぐにでもやめましょう。
「ちっくしょー!こんな時代に生まれてきてしまって。」
「今からでも間に合う。頑張ってお金稼いでやる!」
まだ30代後半、40代前半じゃないですか。
人生まだまだ長く残っているのですよ。
ここで諦めてしまってはいけません。
企業で雇ってくれなければ、自分で起業するなどすればいいじゃないですか?
自分で稼ぐ力をつけていけば、周りに振り回されることなんてありません。
どんな状況に陥っても、自分で立ち直る力で稼ぎ続けることはできます。
「その方法はどうやってやるの?」
それは、自分自身で何度も試しながら、自分だけの答えを見つけていってください。
キツイ言い方かもしれませんが、他人に答えを求めているようでは、自活できる力なんて身につきません。
私はこの世代に生まれて、貧乏くじを引いたとは思っていません。
社会に真摯と向き合い、時代背景のおかげで自活力を身につけられたからです。
だから今からでも、あなたに諦めてほしくないのです。
道がボロボロになる前に、道を強く固めて欲しいのです。
私も最後まで諦めなかったことだけが、暗い井戸の中から出てこられたたった1つの方法なのですから。
これからの働き方に大切なことは、自分の道は自分で切り開いていくことです。
人生はどちらかです。
勇気をもって挑むか。棒にふるか。
ヘレン・ケラー(アメリカの教育者)
ただ不安と言っているだけでは、何もはじまりません。
勇気をだして1歩ずつ、前を向いて歩いていきましょう。
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