働くことはつらい、疲れることなんだという姿を子供に見せる大人になんてなりたくない
そろそろ就職活動をして、就職先を決めなければいけないけれど、どうやって決めたらいいんだろう・・。
「やりたいことが何なのか、さっぱりわからない。」
子供の頃はパイロットとかケーキ屋さんとか、なりたい仕事があったはずなのに、いつの間にか「安定した仕事に就きたい。」と思うようになってしまった・・。
私自身も、子供の頃はふわっふわのパンを毎日焼くことが夢で、パン屋さんにずっとなりたかったはずなのに、いつの間にか普通の会社員になっていました。
なぜ働くことに対して、夢も希望もなくなってしまうのでしょうか?
私自身の人生を振り返ってみて、思い当たることがいっぱいあることがわかってきたのです。
働くことがつらいとインプットされていった幼少期
私が小学校低学年ぐらいの頃でしょうか?
働くことに対して、なんとなくわかりかけていた年頃でしたが、まだまだ将来なりたい職業に対してワクワクする夢を持っていた時代でした。
私の父は普通の大手企業に働くサラリーマンでしたが、朝早く家を出て夜遅くまで働いて、毎日ヘトヘトに疲れ切った顔をしながら帰ってくる日々・・。
父と会話をする時間もなく、朝も夜も一緒にご飯を食べるヒマもなく、父と一緒に過ごした記憶は今はまったくと言っていいほどありません。
職場で何があったのか、子供の私にはさっぱりわかりませんでしたが、家では憔悴しきった顔で、毎日のようにスーパーで安く買ってきた焼酎を浴びるように飲む日々でした。
「なんであんなに疲れた顔をしてまで、仕事するんだろう?」
足取りがどっしりと重いまま職場に向かう父親を見ていると、働くことってこんなにもつらいことなのかなと・・。
「働くことって、大変なんだな。」
高校2年生の時に、そろそろやりたい仕事や行きたい大学を決めなきゃいけないとなった頃には、もう何をどう決めたらいいやら・・。
つらそうに生きる父親の姿を見ていたら、すっかり夢も希望もなくなってしまったのです。
父親を反面教師にしたはずが、自分も同じ姿になっていた
「子供の頃の夢なんて、実現できる人なんていないんだ。」
ヘトヘトになりながら働く父を見て、ふわっふわのパンを焼く夢も希望も失ってしまった私は、地に足をしっかりとつけて生きていこうと思うように。
大学なんて選ぶ余地もないままとにかく受かった大学と学部に行き、就職活動も「安定」や「大手」や「知名度」ばかりを重視して選んでいました。
超就職氷河期で結局希望の会社に1社も受からなかった私は、自分の希望なんて押し殺して、受かった企業に入ることに。
「ただ、お金だけ入ればいいや・・・。」
心からワクワクする思いなんてまったく失ったまま、決められたレールの上を行ったり来たりする生活が何十年と続いていったのです。
子供にひと言言われて、このままではダメになると思った
子供が生まれてからも、ただ生活のために必死になって働いていた私・・。気がついたら、言うことを聞かない子供にガミガミ怒ってばかりいました。
仕事からバタバタと帰って、イライラしながら家事をしていた私に、小学生に成長した子供にハッと言われたのです。
「お母さん、いつも怒った顔をしているよ。話しかけるのが怖い!!」
言うことを、ずっと我慢していたのでしょうか?
子供に素直な気持ちを強い口調で言われて、ハッとさせられたのです。
そうです、私は父親とまったく同じ姿を自分の子供に見せていたのです。
子供の胸にズキッと突き刺さるような発言がきっかけで、私は働くということに対して真剣に考え直していくことにしました。
ただお金のため、プライドが邪魔をして世間体のためだけに大きな組織にしがみついていた私ですが、これで一生を終えていいのかと。
親が楽しそうに働いていないと、子供にもその気持ちが伝わってしまう。その子供もまた働くことがつらいと思ってしまう。
自分自身がワクワク楽しいと思いながら働かないと、子供に働くことが楽しいと伝わらないことがわかったのです。
「仕事 = つらくてイヤなこと」であるとなったのは、何が原因か?
「やりたいことが見つからない。」
「履歴書に、何を書いていいかわからない。」
私はキャリアカウンセラーの養成講座に通っていて、人事関係の方と会う機会が増えてきたのですが、希望のかけらもない学生がものすごい増えてきたそうです。
話を聞いていて、いつから「仕事 = つらくてイヤなこと」が常識になってしまったのだろうと・・。
気持ちがすごくわかるだけに、自分に置き換えて考えてみました。
結局のところ、大人がつらそうに働き、仕事のグチばかりを言うようになっているからなのではないかと・・。
子供が仕事をする大人にまったく憧れないから、仕事はつらいことであるとインプットされていってしまう。
どんな人間だって、つらいことなんてやりたくないじゃないですか?
やりたくないことをしている親を見て、やりたいことを持たない子に育ってしまう。
やりたいことが見つからない若者たちのことをメディアでは『目的もない最近の若者』とこぞって取り上げ、世間では「そんな若者はダメだ」とヤジを飛ばします。
しかし本当に悪いのは「目標を持てなかった大人達」じゃないのかと・・。
器用に世の中を歩ける人は、わざと自分を納得させるような理由をつけてやりたいことを諦めている。
「働きたくないんだけれど、生活のために働かないといけない。」
器用に歩けない人は負荷がいっぱいかかるプレッシャーを与えて、「安定」とか「有名」とか、世の中の基準に合わせて、自ら考える思考を放棄してしまう・・。
「仕事 = つらくてイヤなこと」であるとなった原因は、ワクワクする夢を実現することを諦めてしまった大人たちが原因なのではないかと、私は強く思っているのです。
仕事はつらいことではなく、本来は楽しいことである
父親の働く状況を見て夢を失い、私は夢も希望も失ってしまいました。
自分自身も同じようにやりたいことなんてどうせやれないのが現実だから、「やりたいことはやらない方がいいことなんだ。」という負のスパイラルに陥っていました。
せめて仕事のグチだけは子供の前では言わないようにしていたのですが、表情や雰囲気でつらいことが伝わってしまっていたのだと・・。
言葉にしていなくても、体中からグチを出すようになっていました。
ひどく反省して「やりたいことを後悔しないようにやろう。」と決意を強く固め、思い切ってフルタイムの仕事を辞めて今現在に至ります。
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仕事はつらいことなんだ、どうせ働かなきゃいけないんだと思うと、より安定へ安定へと考えるようになってしまいます。
サッカー選手か会社員なら、会社員。
会社員か公務員なら、公務員・・。
どんどん選択肢が少なくなっていくことで、最後は「就職できないなら、ホームレスでいい」という極論にまで達してしまう可能性があります。
だから私は子供達に「やりたいことなんて絞る必要ないんだよ」と、強く訴えていきたい。
自分自身がやりたいことをやり、人生を楽しんでいるお手本になることで、きっと子供達も「仕事って楽しい!」と思えるようになることでしょう。
誰でもつらいと思うことに挑戦することって、イヤですよ。ラクな方へ、ラクな方へと流れていってしまうことで、選択肢がどんどん少なくなっていく。
でも、「働くことって、楽しいんだよ!」と伝えていけば、そこに見える風景はどんどん変えていくことができます。
誰に何を言われようと、他人にバカにされるような夢だろうと、無我夢中で追いかけて失敗することがあっても、自分のやりたいことを貫き通して欲しい。
やりたいことをやって失敗して挫折しても、「夢」だけは忘れないで欲しい。
仕事って本来つらいことでも何でもなくて、本来は楽しいことなんだよ。
働くことは楽しいんだよ!とっても楽しそうでしょ〜!と、口で言わなくても、ワクワクオーラをこれから働く人に向けて伝えていきませんか?
これからの未来を歩いて行く人達に、堂々と胸を張って「仕事って楽しい!」と言えるように、私は力強く生きていきたい。
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