激安の訳あり賃貸物件を実際に契約寸前までした話。告知義務の有無に気をつけよ

契約書にハンコを押すところ

賃貸物件を探しているときに、不動産広告にたまに見かける表記、それは「告知事項あり」という注意書きです。この言葉のウラにはどんな意味が隠されているかご存知でしょうか?

家賃が激安なだけに、すぐに飛びつきたくなるような物件ですが、これらの物件は事故物件や心理的瑕疵物件、訳アリ物件などと一般的に呼ばれている物件です。

実は、過去に訳あり物件について、契約寸前までいったことがあるのです。

賃貸物件を探す基準は、とにかく安い物件!

賃貸物件

夫が突然退職してしまい、今の家賃が払えないほど家計が大ピンチに!自分が名義人になって契約できる物件探しに明け暮れていたのです。

住宅情報サイトでの物件探しも、物件の広さや駅チカとかではなく、家賃の安い順に並べ替えをしながら探しておりました。

検索していたところ、2LDKの物件の相場が8〜10万円するなかで、築浅物件なのに家賃が6万円という、お得すぎる賃貸アパートを発見したのです。

駅距離は徒歩5分、広さも55平米、バス・トイレ別と好条件ばかり!ついに掘り出し物件を見つけたと思いました。

家賃が払えなくて家計が大赤字になる前に、なんとしても家賃を下げなくてはという必死の思いがあったため、不動産会社にすぐに問い合わせすることにしたのです。

実際に物件を見学に行ってみても問題ない好物件

部屋の窓

不動産会社の担当者と一緒に現地に赴き、問い合わせた物件を実際に見てみることにしました。

建ててから4年という、築浅すぎる物件!ドアを開けてすぐに「めちゃくちゃキレ〜イ!」と思わず叫んでしまったほど、内装が新築同様に光り輝いていました。

トイレもお風呂もピッカピカ。キッチンも対面式でリビングはツヤツヤのフローリングで広々しています。収納スペースも多数あり、申し分ない物件ですっかり気に入ってしまいました。

「ここの物件は老朽化に伴い建て替えたものの、相場よりだいぶ安くなっています。俗に言う掘り出し物件というやつです。早く契約しないと他の人に契約されてしまいますよ?」

そうか、これは掘り出し物件というやつなのか!

こんなにキレイで安い物件をほかの人に取られたら悔しい!と、その場で物件を押さえる書類にサインをすることにしたのです。

あまりにも安いために物件のことを調べてみることにした

公園

相場より2万円以上安い物件。不動産会社の言う通り掘り出し物件かもしれませんが、やはり気になるものは気になります。

そこで物件について、もっと詳しく調べてみることにしたのです。

物件の周りに怪しい工場や団体らしきものはないか、騒音や悪臭をはなっている場所はないか。

周囲を歩いて調査してみたのですが、それらしき建物や看板などはなく、むしろ緑が生い茂る自然豊かな公園があり、駅・スーパー・学校が近いため、とても住みやすい環境です。

「こんなに環境は申し分ないのに、なんであんなに家賃が安いんだろう?」

殺人や自殺などがあった訳あり物件なのかも・・と疑いはじめ、営業担当に確認してみたところ、そのようなことはないとのことでした。

いやいや、でも、なんか怪しい。

住み始めてから「知らなかった!」とならないために、思い切ってアパートの前の住民の方に話を聞いてみることにしたのです。

アパートを建て変えた衝撃の理由

玄関のチャイムを押すところ

玄関のピンポンを押してみたところ、40代ぐらいの主婦の方が玄関に出てきてくださいました。

「すみません、目の前のアパートの入居を検討しているものです。もしよろしければ、建て替える前に何かわかることがありましたら、教えてくださいませんか?」

すると、女性は「アパートは火事があったんですよ。2階の部屋で小学生の女の子が焼死体で見つかったんです。一緒にいた母親は助かったんだけれど、燃え方が激しかったので、心中しようとしたのではないかと。」

約6年前に一室が火事で燃えてしまい、火の回りが激しかったので、隣接する部屋まで焼失。火の手が上がった部屋から女の子の焼死体が見つかり、地域新聞に載ったほどの惨事だったということでした。

当時は母子家庭で悩んでいたとか、そんなうわさが流れていたようです。

母親は逃げ出して助かったものの、女の子は逃げた痕跡もなかったということで、火災が起きる前から意識がなかったのではないかと..。

建物の損失が激しかったため、4年前にアパートまるごと建て替えられたみたいです。

え、でもこれって心理的瑕疵物件に当たりません・・?

心理的瑕疵物件は、物件そのものに瑕疵や欠陥はないものの、入居者にとって入居の判断を躊躇する物件、すなわち住みたくない物件のことを指します。

なるほど、家賃が相場よりも安いわけです!

「これは説明義務あるんじゃないの?」

再度、不動産会社に問い合わせてみることにしました。

心理的瑕疵物件の告知義務が発生しないケースあり

物件が焼けてしまったところ

物件内で自殺者や殺人などの事件が起こった場合など、心理的瑕疵物件については「宅建建物取引業法」により、賃貸契約する人に告知する義務があります。

物件見学時に担当者から説明があったり、重要事項説明書などの書類で確認できます。

しかし、賃貸住宅の場合ですと、心理的瑕疵が発生してからどれくらいの期間告知しなければならないということは、法律上定められていないのです。

瑕疵から何年も経過していたり、入居者が何人もいたりすると、告知義務がなくなる可能性があります。

賃貸物件の場合、事故があった次の借主には告知事項について説明するものの、その次の借主には瑕疵について説明しないというケースが多いのです。

不動産会社によると、今回のケースは、火事が起こった部屋ではあるものの、すでに建て替えが行われていること、すでに借り主がいたとのことで、告知義務は発生しないという説明を受けました。

不動産会社によって、独自の告知義務ルールを設定している会社も多いのが現実。

昔のこととはいえ、小学生の女の子が亡くなっているなんて悲しすぎます。告知義務はないとしても、人間として入居する方のことを考えて教えてくれてもいいのに..。

気にしなければ住めるかもしれませんが、心霊現象が怖い私にとってどうしても住む気になれず、今回は契約を見送ることにしたのです。

掘り出し物件だと思ったら、契約前に徹底的に確認してみよう

光が指す部屋

あまりにも悲しい出来事があった部屋だったことで契約を見送りましたが、もし入居後に、この部屋の瑕疵が発覚した場合には、入居者の求めに応じて契約解除(つまり退去)することも可能です。

不動産会社が入居希望者に話したところで、率先して入居しようと思う人はいないでしょうから、告知義務がないとなれば、不動産会社は話すことはほぼないでしょう。

もし、条件はいいのに極端に家賃が安いなど、掘り出し物件のような物件は、契約前に徹底的に調べてみてください。

数年前の事故であれば、近隣や不動産会社でも把握できますが、十数年も前の場合、管理会社や不動産会社でも把握できていないところもあります。

物件の見学時に管理人さんや近くに住む方などに、過去に事件や事故、火災などがなかったか、念のため確認しておくことをおすすめします。

私は物件を選ぶ際に、住民の方によく確認することが多いのですが、たいていの方は教えてくれることが多いですよ!

そうは言っても、訳あり物件は人の感じ方次第ですので、何も気にしなければとてもお得すぎる物件であることに間違いありません。

自分の家計と心情とも照らし合わせて、よく検討されてみてくださいね。

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