顔のホクロ除去を皮膚科で切除失敗した体験談。再手術で2cmの傷跡が2つも残った私の後悔ヒストリー
「顔のホクロを育児休業中に取りたいな。」
社会人になってからずっと働き詰めであった私は、30歳で1人目を妊娠し、初のロング休暇となることで、顔のホクロ除去を計画しました。
別にイボのようにボコッと出ていたわけでもなく、平らな1〜3mm程度のホクロを4つ顔から美容目的で気軽に取りたかっただけでした。
ちょうど実家近くの皮膚科でホクロ除去を行っており、1人目を出産後に母に子供を託している間に、皮膚科に行って取ることにしたのです。
皮膚科の先生に相談に行ってみたところ、こんな切除法をすすめられたのです。
皮膚科の先生にすすめられたホクロ切除法は、2種類のパターン
「4つのホクロのうち、2つはメスで切って切除しないと、再発するおそれがあります。」
皮膚科の先生にホクロ切除をしたい旨を話した所、2つは炭酸ガスレーザーで取り、残り2つはメスで切除する方法をすすめられました。
炭酸ガスによるレーザー治療は、レーザーマシンを使って肌に有効なエネルギーを照射する方法で、切除はメスで切り取って縫い合わせるという方法です。
左頬のど真ん中で1番目立つホクロと、右頬の目の5cmほど下の部分の場所でしたが、メスで切らないと再発するなんて、私はまったく知らないことでした。
手術費用も4箇所で1万円ということでしたので、手術費用にしては気軽に支払える金額でした。
皮膚科専門の先生が言うのだから、きっとその方法が正しいのだと思い、思い切って手術の予約をして、1週間後にホクロ施術を行うことにしました。
「来週、顔のホクロ4つ取ることにした。顔の印象変わるかな?」
不安でしたので、夫にも母にもホクロ取り宣言をし、「まぁ、好きなようにしてきなよ。」と背中を押され、ホクロ除去手術の当日を迎えたのです。
ホクロ切除とレーザー治療による手術方法は、全然違っていた
「それでは手術を始めますよ。痛かったら教えてくださいね。」
局部麻酔をして最初に行ったのが、目のキワとアゴの下にあるホクロのレーザー除去です。ジリッジリッと焼け焦げるようなニオイはしたものの、2〜3回当ててすぐに取ることができました。
次にメスによる除去手術のために、顔中にシートをグルグルと巻かれてミイラみたいな状態に。注射でブチューッと刺してイタタタ〜!となりながら、なんとか外科手術の準備ができました。
「傷跡が残りますが、大丈夫ですか?」
キ、キズあと?!?
手術する前で気が動転していたので、頭の中がよく理解できなかったのですが、かすりキズのような傷跡だと思っていた私は「はい、大丈夫です。」と。
メスで切っている時は麻酔が効いていたため、まったく痛くなかったのですが、皮膚から何か引っ張られるような感じを受けながら、先生は血をガーゼで何度も拭き取っていました。
取った後は、細い糸で縫い合わせている様子がよくわかりました。この糸は後で溶けてなくなるそうで、抜糸の必要はないとのことでした。
手術時間が20分経過。
私の顔から、4つのホクロが取り終わったのです。
ホクロ除去後は半年から1年ぐらいで目立たなくなるはずだった
次の日に術後の消毒にと皮膚科に行き、その後しばらくは自分でガーゼの取り替えと化膿止めの軟膏を塗る生活を続けていました。
レーザー手術をした2か所は、月のクレーターみたいにポッコリと赤い穴が空いていたものの、1ヶ月ぐらいで平らになり、3ヶ月もしたら赤みも引いてホクロは消えていました。
「なんか縫った所は、全然よくならないな。むしろ傷跡がさらに広がっているような。」
鏡を見ても、縫った跡がクッキリと線が出ており、3ヶ月経っても目立った傷跡がよくならなかった私は、再度皮膚科に行って聞いてくることにしたのです。
「半年から1年ぐらいすると、さらに目立たなくなりますよ。」
先生いわく、まだまだ目立つ時期だから時間が経過するのを待って下さいとのことでした。時間をただ待つしかないのかと、しばらく様子を見ることに。
1人目の時は2ヶ月の育児休業期間で復帰したのですが、2箇所の頬の傷跡が気になってしまい、会社でも人と目を合わすのがつらくなってしまっていました。
「美容目的で取ったはずなのに、なぜか反対に目立っている。他の皮膚科に行って相談してこよう。」
夫にも母にも気にしすぎだよ!と言われたのですが、セカンドオピニオンを含めて、ホクロ除去から1年経って、ネットで見つけた形成外科に行って診断してもらうことにしたのです。
形成外科に行って見てもらったら、衝撃的なことを言われた
「うーん、これは明らかに傷口が開いて治癒していますね。」
えぇ?!溶ける糸が溶けるのが早かったのか、傷跡が目立つ形でくっついてしまっているとのことでした。さらに目立たなくするには、炭酸ガスレーザーで削る方法がいいとか。
「先生、このままじゃつらいです。何をしてでもいいので治して下さい。」
この時点で、自分のホクロ除去が失敗したことに気がつきました。あまりのつらさで、泣き崩れたのをよく覚えています。
どんな方法でもいいから良くなって欲しい!と、ワラをもつかむ思いで、形成外科の先生に術後の傷跡形成をお願いすることにしたのです。
炭酸ガスレーザーで削る治療でよくならず。再度傷跡を縫うことに
傷を目立たなくする方法として、炭酸ガスレーザーで傷跡の凸凹を少しずつ削っていき、顔のシワの線になじませていくという方法でした。
麻酔テープを貼った後に、ホクロのレーザー治療と同じ方法で傷跡にならないレベルで皮膚を削っていくのですが、このダウンタイム(回復するまでの時間)が長いこと!
1ヶ月に1度通ってレーザー治療をして、ガーゼを当ててもらうのですが、見られると恥ずかしいので、治療後2週間ぐらいは、ずっと会社でマスクをつける生活を強いられました。
でも半年経っても、全然変わらなかったのです。
「うーん、再度縫う手術をしましょうか?」
先生もお手上げ状態だったらしく、なんと再度縫うことを提案されたのです。
どんな方法でもいいので、傷跡が目立たなくなればいいと思っていましたので、先生に再手術をお願いしました。2度目の育休中に左頬の傷跡形成手術を受けたのです。
左頬のど真ん中を縫合形成手術をして、1年経過したものの
夫にも相談し、あまりにも目立っていた傷跡を目立たなくしたい一心で、左頬のど真ん中に出来てしまった傷跡の縫合形成手術を受けに行きました。
クリニックの一室で、顔に麻酔をして縫う手術を行い、再び顔はギザギザの糸で縫われた顔になり、再びマスク生活をすることになりました。
2人目の育休中でしたので何とか家で治療生活を続けていましたが、ずっと引きこもってのマスク生活で息苦しい日々でした。
「うーん、なんか手術前より目立っているような。」
よく傷跡を見ると、ボコボコした感じになっていて、縫った端と端がポッコリと浮き上がってしまっていました。鏡で見て、光の加減でかなり目立つ傷跡になっていることに気がつきました。
1日中気になってしまい、子供が寝静まっている間は、気がついたら鏡を見ているような状態です。起きても鏡、昼間も鏡、外でも鏡、夜中に起きた時でも鏡・・。
「もう、イヤー!こんな顔!死にたいわ!」
まさに私は、人と決して顔を合わせたくない心理状態となり、まさに「醜形恐怖症」に陥ってしまっていたのでした。
助けを求めて、数え切れないほど病院や診療所に行きまくった
「傷跡修正したのに、修正した傷跡で悩むことになるなんて。」
自分の容姿を必要以上に気にしすぎてしまい、他人に見られている時はもちろん、見られていない時でも悩み続けてしまう神経症に侵されていました。
死にたくなるほど悩みに悩んでしまい、私は助けを求めて数え切れないほどの病院や診療所に行きまくりました。
どこの先生も傷跡を見ては、「変な先生に当たってしまったのですね。」と言うものの、「この傷跡を治すのは難しい。」との一点張りで、誰も治してくれる先生が見つかりませんでした。
それでも諦めずにネットで調べまくってみたところ、とある形成外科の名医のHPにたどり着き、もうこれが最後の望みだと思って、診察の予約をして行くことにしたのです。
形成外科の名医がに傷跡を見てもらった所、すぐに修正手術へ
「これは汚い縫い方をされてしまいましたね。なんてひどいことを。」
形成外科の名医の先生にも、こんなにひどい縫い方をする人がいるなんてと憤慨するほど私の傷跡はひどかったのでしょう。
平らなホクロで3mmぐらいだったら、先生だったらレーザー手術で少しずつ削っていくとのことでした。無知とは恐ろしいと、この時どれだけ反省して後悔したことか・・。
生後半年にも満たない子供を抱っこひもで抱っこしながら、おえつして涙が止まらなくなっていた私でしたが、先生が傷跡を見てすぐに決めて下さいました。
「私が再度手術をしましょう。今日2時間後に時間が取れますが、どうしますか?」
もう何人もの先生に傷跡修正を断られたあげく、この先生だけが神様のように見えてきて、ここで手術をしないと死を選択してしまう境地に立たされていました。
「先生を信じます!手術をお願いします!」
形成外科の名医の元で泣き崩れ、私は子供を看護師さんに託し、再々手術をすることにしたのです。
大手術部屋の中で10人ぐらいに囲まれながら、傷跡再々手術へ
テレビの手術室で映るような大きなベッドに寝かされ、上からまぶしい光が当たりながら、私は手術着に着替えて、10人ぐらいに囲まれながら再々手術に挑むことに。
「それでは、手術をはじめます。リラックスしていて下さいね。」
途中でベッドから起き上がり、起きた時の皮膚の状態を見られながら、真剣なまなざしで見つめられながらメスで切り取り、丁寧に何針も縫っていただいたのです。
手術時間は、なんと1時間以上にも及びました。
「先生、本当にありがとうございました。」
手術が終わった後に、消毒や抜糸で何度も通い続け、半年後に右頬の手術もすることにしたのです。合計2箇所を形成外科の名医に手術してもらうことになったのでした。
再々手術で心の傷跡が深くなってしまい、復帰出来ないかと思った
再々手術をしてから1年が経過し、前回の手術時とは比べものにならないほど傷跡が目立たなくなったものの、誰とも顔を合わせられない醜形恐怖症が治りませんでした。
でも仕事をしないと上の子が楽しく通っている保育園も追い出されてしまうし、本当に生きていけなくなる。精神病院のカウンセリングにも、何度も通い続けました。
カウンセリングで心が回復してきた時に、思い切って会社の上司に今の状態のことをメールで送ってみることにしたのです。
「私、休み中に顔が傷だらけになってしまったのですが、大丈夫でしょうか?」
なぜかこんな内容で送ってしまったのですが、「そんなこと誰も気にしてないから、復帰してきなよ。」と温かい返信が。なんて優しい上司なんだと、この時だけ(?)思ったほどです。
誰も人の顔なんて気にしてない、ハッとそのことに気がついた時に、ホクロ除去なんてしなくてもよかったのではないかと思うようになったのです。
ずっと家で子供と引きこもっていましたが、冬眠から出てくるかのように、ポカポカと温かくなってきた春に仕事復帰を果たしました。
「なんだ、そんな傷跡大したことないじゃないか!」
上司も同僚もそんな感じでして、その後も誰も傷跡のことなんて指摘した人はいませんでした。
最初は傷跡を目立たなくするファンデを塗りたくり、マスク生活をしていたのですが、仕事と育児の両立で忙しくなっていった結果、マスク生活も終えて、次第に気にならなくなってきました。
外見ばかり気にしていた私が、とてもちっぽけの人間のように見えました。
顔の傷跡より心の傷跡の方がずっと、ずっと大きかった私は、1年、2年、3年、5年と経過していくうちに、徐々に癒えていくことができたのです。
ホクロ除去に失敗すると人生まで狂わす。医療機関選びは慎重に
長い文章につき、私の話を聞いていただいて、本当にありがとうございました。
美しくなりたいと思ってホクロ除去をしたはずなのに、選んだ皮膚科と治療法に対して自分自身があまりにも無知だったことが、人生をここまで狂わすとは思いもしませんでした。
誰も責める気になんてなれず、自分の無謀すぎる行いに、ただひたすら猛反省するしかありませんでした。
たくさんのお金がかかる時期に、多額のお金を使い込んでしまい、一生懸命に働いている夫にも大変申し訳ないことをしてしまいました。
再手術をした時の傷跡の醜さを見て、何度となくマンションの上から身を投げ出しそうになりましたが、自死した父と同じ道を歩んではいけないと、何度も思いとどまりました。
諦めずにいい先生と出会い、そして夫や実母や子供が私の精神的な支えとなり、いい会社の上司や同僚に囲まれていたからこそ、今の生きている私がいるのだと感じています。
ホクロ除去手術をしてから、早くも8年が経過しました。
あの時、死にたくなるほど私を苦しめていた傷跡は約2cmの傷跡が残り、外の光の加減で目立つことはありますが、日中気にすることはほとんどなくなりました。
真皮を傷つけた傷跡は一生消えることはありませんが、目立たなくすることは可能です。
人間の生命力って、本当にすばらしいです。
生きていることに、ただ感謝するだけです。
今まで会った人に「顔に傷跡あるね。」と指摘されたことがないため、ほとんど目立たない傷跡になっているのでしょう。
時間の経過と共に、色んな傷跡が癒えたことがわかりましたし、人生で最大級に苦しめた自分の過ちを、ここまで話せるまで回復することができました。
私が胸の奥にずっと閉まっておきたいと思ったことをお話ししたワケは、私と同じ過ちをあなたに決して犯して欲しくないからです。
ホクロ除去なんて整形とは違って簡単にできる!と思い、よく調べもせずにコンビニに行くような感覚で施術しないようにしていただきたいのです。
心の傷跡を癒やす方が、実は何倍も時間がかかります。
正しいホクロ除去の知識を身につけ、医療機関も1つではなく複数の医療機関に足を運び、本当に信頼できる医療機関や医者選びをしてから、きちんと自分に合った方法で施術するようにしてください。
ホクロ除去で気持ちが明るくなるのであれば、ホクロ除去は私は否定しません。
ただ人というのは、人の外見なんてほとんど気にしてないことがよくわかりました(笑)ホクロ除去に失敗して、これだけはよくわかったことです。
人生を狂わせてしまう前に、どうしてホクロを取りたいのか、しっかりと自分自身の目的を持って、医療機関に行かれてみて下さい。
内面を外見以上にピカピカに磨いて、イキイキとした心で生きていきたいですね。
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