住宅ローンの繰り上げ返済の時期が早い方が得なわけではない。損得より大事な共働き家計破たんリスク

住宅ローンという「借金」を借りていたら、誰しも早く返したいと思うものです。
私だって、1日でも早く返したいと思っているぐらいですからね。
住宅ローンを借り出すと、ローンの繰り上げ返済の時期をいつにしようかと悩むと思います。
今回そんな住宅ローンを借りたばかりの共働き夫婦の奥様から、住宅ローンの繰り上げ返済をするべきか、しない方がいいかのご相談をいただきました。
こんな私に最近は家計診断など色んなご相談をいただきまして、大変ありがとうございます。
私プロでも何でもないですけれど、失敗経験だけは人一倍多いせいか、お悩み相談が最近とても多いです。
今回いただいたご相談内容は、住宅ローンに関する以下のような内容です。
住宅ローン繰り上げ返済で悩む共働き夫婦のご相談内容はこちら
共働きで働くご夫婦は、製造業で働くご主人(30歳)と、事務職として働く奥様(32歳)で、まだお子様はいらっしゃいません。
2015年6月に新築でマイホームを購入されました。
いいですねぇ、まだピッカピカじゃないですか!
以下実際にお問い合わせいただいた方からの引用です。
2015年6月新築 住宅ローン3000万を35年ローンで購入しました。(ボーナス払い1,000万)
現在利率は1~10年目 0.94% 11年~1.54% フラット35Sで借りました。
この度、家の諸々で余った300万と貯蓄を含めて400~500万の繰り上げ返済を来年1月しようかと考えました。現在の貯蓄は1000万弱です。毎年200万弱の貯蓄をしています。
しかし住宅ローン減税もあるので悩んでいます。 今は子供もいませんが、いづれは・・・とも考えていますが、中々授からずにいる状態です。子供がいない状態なので、ライフプランが立て辛いところではあります。
今考えているのは・・・①来年1月に400~500万の繰り上げ返済をする②減税の恩恵をうけ10年後に1,000万(予定)の繰り上げ返済をする
気にかかっているのは、35年ローンだと主人が65歳になってまでも返済し続けなければならないこと。
11年目からの1.54%だと、返済額が負担になるのではないかということです。
ご迷惑かと思いますが、ご意見お聞かせいただければ嬉しいです。
よろしくお願いします。
ご迷惑だなんて、とんでもございません。
悩む所はみんな同じなんだなと、思わずうんうんと共感してうなずいてしまいました。
まずは住宅ローンを繰り上げ返済した時の「返済シミュレーション」をしてみましょう。
条件をもとに繰り上げ返済シミュレーションした結果はこちら
こちらが金融広報中央委員会「知るぽると」で、400万円を繰り上げ返済シミュレーションした結果です。
11年目から支払額が約4,000円ほど増えますが、減少する利息額は期間短縮型で約213万円です。
住宅ローンの繰り上げ返済は、早く返せば返すほどお得にはなります。
もし借り入れ後10年目に繰り上げ返済をするとなると、減少する利息額が約160万円になります。
「やっぱり繰り上げ返済した方が、利息額が減らせてお得なのですよね。」
ご主人が65歳になって定年を迎える時に、住宅ローンの支払いが残っているのはかなり不安であると思います。
数字を出すと「繰り上げ返済はYES!」と答えざるを得ませんが、私は「繰り上げ返済はNO!」と言いたいのです。
繰り上げ返済をするときに、損得だけを考えてはいけない理由
住宅ローンを借りている時に、どうしても利息が減ることだけを考えてしまうかと思います。
欲深い人間ですもの。1万円でも多く支払うのなんてイヤですよね。
住宅ローンの利息軽減に対することを考えてしまいがちですが、金額の損得だけを考えてはいけません。
それは繰り上げ返済をすることによって、手元の資金も同時に減ることになります。
もし何か悪い自体が発生したときに、お金がなくて支払いができない状態になってしまうのです。
企業でも現金がたくさんある方がいいのと同じように、家計でも貯金がたくさんあるに越したことはありません。
私もそうなのですが、家を売る時に手持ち金500万円がなかったばかりに、身内に泣き寝入りして500万円の借金をするハメになりました。
我が家が新築一戸建て購入を失敗し、借金500万円を作った理由(その1)
もしこれが身内ではなく、消費者金融から500万円を借りていたら、今頃自己破産への道を突き進んでいたことでしょう。
住宅だけの損得だけを考えて繰り上げ返済をしてしまうと、あらゆることに使える貯金を減らすというリスクを追うことになるのです。
相談者さんが繰り上げ返済を今してはいけない理由
今回文面からしか判断ができませんが、相談者さんが繰り上げ返済しない方がいいのではないかと思う引っかかる部分があります。
今は子供もいませんが、いづれは・・・とも考えていますが、中々授からずにいる状態です。
ここの部分ですね。
いずれお子さんが欲しいと思われているということは、今後仕事を辞めるつもりなのか、仕事を続けていきたいのかでだいぶライフプランも違ってきます。
社会的な統計によっても、女性が子どもを産んで働き続けている割合は約2割です。
約8割の人は、出産後は仕事が続けられずに辞めてしまっているのが実情です。
共働きでいられないというリスクがあるためです。
お子さんをなかなか授からないということは、将来不妊治療を受ける可能性もあります。
その時のために、やはりたくさんのお金が必要になります。
めでたくお子さんが生まれてかわいさあまりに、仕事を辞めて子育てに専念したいと思うかもしれません。
将来あなたの働き方をどうしていきたいかで、まったくライフプランが変わってくるのです。
将来どうなるかわからない=不確定リスクが大きいからこそ、手元にいざというときのリスクを手助けしてくれるお金がたくさんあった方がいいのです。
だから相談者さんの繰り上げ返済は、おすすめできないのです。
繰り上げ返済は、ライフプランのリスクが減ってからでもいい
繰り上げ返済をすると利息が減るため、やみつきになってしまう方も多いため、返済し過ぎて家計が破たんしてしまう家庭も多いのです。
住宅ローンの利息は早く返すに越したことはありませんが、まずはライフプランを落ち着かせることが先です。
お金っていざというときの精神安定剤になるのですよ。
我が家では今貯金額が1,200万円ぐらいになりましたが、これぐらいあるとかなり心に余裕が出てきます。
それでもまだまだ子どもが小さくて、いざ何が起こるかわかったものではありません。
ライフプランが不安定であるときこそ、繰り上げ返済よりまずは貯金を増やすことの方が先です。
妊娠して出産して、育休・時短勤務の時期を乗り越えた時に、繰り上げ返済のことを考えても遅くありませんよ?
数年先送りしたところで利息軽減効果なんて、ほとんど変わりません。
我が家もそんな考えのもとで、ローン控除があるうちは繰り上げ返済なんて何もしない予定です。
人生なんていつも同じ調子なんてない。正解なんてないから自分を信じて!
人生って同じ調子でいることなんて、ほとんどありません。
同じ調子でいる人のほうが、反対に心配になってしまいます。
今乗り越えていくべき波がおだやかになった時にこそ、繰り上げ返済を考える時でしょう。
今は新しいおうちで、色々インテリアをそろえたり、街中のおいしいパン屋さんを見つけたりする方がワクワクして楽しくなれますよ。
今は新しい家で、新しいライフプランを練ることを優先してみてくださいね。
いやー、私も失敗ばかりしてきましたけれどね。
なんとか楽しくこうやって生きていますよー!
まぁ、私の意見なんてホント参考程度にしてくださいね。
住宅ローンに正解なんて存在しません!
正解なんてないからみんな悩むのです。
それほど家と人生って連動していて、波があるから不安だけれど、波があるからいい方向にも向かっていけるのですよ。
周りの意見に流されることなく、自分らしいライフプランを築いていってください。
自分に合った住宅ローンがよくわからなくて不安なあなたへ
「住宅ローンがまだたくさん残っているから、何だか心配。」
「自分に合った住宅ローンって、組むことが出来るのかしら?」
住宅ローンって金融機関の選び方次第で、数百万円単位で変わってきます。
新しく借りたいけれど、どこの銀行に申し込んだらいいかわからない、金利が高くてどこに借り換えたらいいかわからない時は、複数の金融機関を比較してみましょう。
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迷っていたら今すぐ行動して、住宅ローンの比較をしてみましょう。
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