逆境をバネにプラスに変えられる人は強い

新型コロナウイルス感染症の拡大により、軒並み様々なイベントや行事が中止されています。
小学校では修学旅行や運動会を中止にするところが多く、学校生活最後となる6年生にとって、思い出を作る機会がなくなるという事態に。
「こんな年が巡ってくる年に生まれたくなかった」と思っていたとしたら、その切ない気持ちを感じ取る親までもが心苦しくなってしまいます。
コロナ禍で、何もかもネガティブに考えてしまいがちな昨今、この逆境をプラスに変えた友人がいます。
今回、そんな友人のエピソードをご紹介したいと思います。
大学卒業後、観光業で起業した友人
私の友人である斉藤さん(仮名)は、大学在学中は経営学を学んでいたものの、釣りが趣味の方。授業の合間を縫って釣りに行くたびに大自然に魅了され、卒業後には、なんと大企業の内定を蹴り、観光業で起業された方です。
起業してからも接客業などでアルバイトをしながら生計を立て、観光業で一本化するまで10年はかかったと言いますから、並大抵のメンタルではない方です。
友人ながら、スゴい人と感じています。
河川敷でキャンプ場を経営する傍ら、地域の特産品を使った商品作りにも携わっており、未就学児向けに、アウトドア体験など、様々な体験プログラムなどを実施しています。
コロナ禍で仕事をセーブせざるを得ない中、とある1本の電話が小学校から入ったのです。
コロナ禍の中、一本の問い合わせが入る
「今年は新型コロナウイルス感染拡大のために、修学旅行や運動会が中止となってしまいました。御社の子供向けアウトドア体験を、子どもたちのためにアレンジすることはできないでしょうか?」
友人の会社に、近くの小学校の6年生の担任の先生より電話が入ったのです。
修学旅行も中止。
運動会も中止。
学芸会も中止。
2020年の今年はオリンピックも延期ですので、スポーツ観戦もできず。子どもたちが「こんな年に卒業とは、なんて運が悪いんだ」と次々に口ずさんだそうです。
そんな状況を見かねた先生が、会社のホームページを見て問い合わせをしてきたとか。
「子どもたちが、こんなにストレスを抱えているとは・・。」
友人は、担任の先生の悲痛な叫びを聞き、すぐにでも返事はしたかったものの、人生を背負うようなイベント。しかも現在あるアウトドア体験は未就学児向けであり、6年生向けのものではありません。
「少し、考えさせてください」と、一旦電話を切って、考えてみることにしたのです。
子どもたちに笑顔を取り戻したかった
電話を受けた翌日、部長である友人は社長に真っ先に相談しに行き、事情を説明。各部長が招集され、すぐに打ち合わせが行われました。
「子どもたちを集めて、感染が拡大したら大変だ。」
「未就学児用のプログラムを、6年生向けにアレンジするなんて無理だ。」
会議では、そんなあきらめムードが漂っていたそうです。
しかし友人は、密にならないように広い場所でのイベントを考え、ただ遊ぶだけではなく「学び」を取り入れたプログラムを考案。子どもたちに笑顔を取り戻したくて、睡眠時間を削ってまで企画を考えたそうです。
「よし、すぐに始めよう!」と、友人の企画に心を動かされた社長により、修学旅行リバイバル計画がスタート!
小学校の担任の先生に伝えたところ、飛び上がるように喜んでいたそうです。
イベントは大成功!笑顔がいっぱい咲いていた
イベントは河川敷でキャンプをするだけではなく、6年生でも楽しめるように、遊びながら学べるようなプログラムにアレンジされていました。
キャンプ飯コンテストを開いたり、何匹のヤマメが釣れるのかを競い合ったり。大自然の中でしかできないようなプログラムになっていました。
「釣りがこんなにも楽しいとは思わなかった。」と、参加した子どもたち。
子どもたちから大人まで、汗だくになりながら競技を終了。イベント終了後は会場中に笑顔が咲き、コロナ禍でも大満足のイベントとなりました。
逆境をバネにプラスに変えられる人は強いと感じた
新型コロナウイルス感染症が拡大し、不要不急の外出が叫ばれました。
気持ちまでが落ち込んでいき、何もかも諦めないといけないと、気持ちがふさぎがちになってきてしまいます。
しかし、子どもたちの目に輝きが失われたまま見過ごしたくない。その熱い思いが子どもたちにも伝わり、イベントは最終的に予想以上に大反響だったようです。
コロナ禍という逆境の中、マイナス要素をバネにプラスに変えられる人は強いと感じました。
逆境は、諦めるためにあるのではありません。
バネにするためにあるのです。
それを今回教わった気がしました。
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