2014年11月25日 

やりたい職業やなりたい仕事が見つからないことって、そんなにダメなことなのだろうか?

「大きくなったら何になりたーい?」

私が子供の頃から、ずっと親に言わて続けてきたです。

自分の子供にも同じ事を聞いているかもしれません。

「お花屋さんになりたい!」
「ケーキ屋さんになりたい!」
「看護師さんになりたい!」

子供に聞くたびに、なりたい職業は毎日違います。

自分も同じことを考えていました。

お花屋さん。
幼稚園の先生。

子供のなりたい職業なんて、夢のようなふわふわした世界だからかわいいものです。

でもふと大人になってから、考えてしまうことがあります。

「やりたかった職業に、今の私って就いているのだろうか?」

高校時代からの夢から、今の私の仕事はやりたいことができているのかを振り返ってみることにした。

私の高校生活は、落第生ルートまっしぐらだった

中学校の時は部活なんてせずに、授業が終わったら夕食以外はずっとクソまじめに勉強生活を送っていました。

でも本当は足が誰よりも速かったので、陸上部に入って思いっきり運動がしたかっただけなのです。

兄の不登校もあり、自分だけはしっかりものにならなければというプレッシャーが、ガリ勉への道へと突き進むことになりました。

「母の苦労を自分が吹き飛ばしてあげたい。」

その思いだけで、難関を突破してトップ高に進学をすることが出来ました。

しかし、ここから転落人生を送ることになったのです。

高校生活で部活のテニスや文化祭活動が楽し過ぎて、夜通しみんなと遊びに明け暮れていました。

誰よりも早く学校に来て朝練をこなして、授業と授業の間に早弁をし、お昼休みには部活に明け暮れる日々です。

中学校の時に勉強ばかりしていた自分とは、まったく別人のような生活です。

燃えに燃え尽きた高校生活だったけれど、もちろん成績は落第生で浪人ロード行きでした。

実は勉強をしていないのは自分だけで、他の人はこっそり勉強をこなし、推薦で次々と大学進学を早々に決めて行ったのです。

何も気が付いていなかった自分自身を、ひどく責めてしまっていました。

あんなに勉強が出来た私は、高校生の時の行いによって、見事に高校4年生と言われている孤独な浪人生活に進学することになったのでした。

なんとなく大学に進学して受かった会社に入った

高校を卒業したら次は大学生になるということに、何の疑いの目も持っていませんでした。

世の中のレールがそういう風になっていたからです。

周りの人が大学に進学するからと、自分も同じような考えで大学に進学した。

それ以外の方法は当時何も考えておらず、周りに合わせて同じように進んで行っただけでした。

「この職業になりたいから、ここの大学に行く!」

こういう目的を持って突き進んでいる人が、実はとってもうらやましかったのです。

何になりたいかがわかっている人が、心底からうらやましかったです。

父の借金返済に明け暮れていた私は、自分のことなんて考える余裕もなかったせいもありました。

私の父が借金地獄で3,000万円を作ってしまった理由。消費者金融にハマってしまうと身を滅ぼすハメに

生きることに精一杯で、何になりたいか何も見いだせなかった私は、流されるままに就職活動を始めました。

これも周りが就職活動を始めたから、自分も始めただけに他ならなかったのです。

そして本当にやりたい仕事はこれ!という回答を得られないまま、なんとなく受かった会社に入社したのです。

就職氷河期だったから、なんとなくなんて言うたやすい言葉で片付けられないぐらい大変だった時代でした。

やりたい仕事がこれだから、この会社に入るなんていう選択をして入ったわけではなかったのです。

受かった会社に行く。

それだけで精一杯でした。

そこからどんな仕事をするかなんて、人事部の人が全部決めてくれただけだったのです。

仕事の現実が見えてきてなりたい職業をあきらめていった

子供の頃に看護師さんになりたい、お花屋さんになりたいって言っていた人達で、どれだけの人がその職業に就いているのでしょうか?

おそらく9割近くの人は、子供のころになりたかった職業になんて就いていないのではないでしょうか?

本当は私は、パン屋さんになりたかったのです。

でもパン屋さんは、深夜2時や3時に起きなければいけない仕事ということがわかり、自分には無理だと、小学校高学年の時にあきらめてしまいました。

シンクロの選手になりたいと思ったこともあって、近くの川で足を上げて練習をしたこともありました。

宮沢りえさんの「スワンの涙」にあこがれて、家から1時間半もかかるシンクロ養成スクールの門を叩いたことがあります。

しかし、通うことに無理があって泳ぐ能力がなくて、門前払いをくらったこともありました。

スポーツ選手で生活をしていくなんて、本当に限られた人だと高校生の時に現実を見てしまったのです。

どんどんと仕事の現実が見えてきて、あきらめていった人がほとんどなのではないでしょうか?

やりたい職業がないと本当にダメなことなのでしょうか?

自分がほんとうにやりたい職業がわからないまま、今の仕事に就いています。

もし、小さい頃からなりたい職業はこれ!と思って、突き進むだけの人生だったら、その職業になることだけで頭が凝り固まっていたかもしれません。

でもやりたい仕事が見つからなかったおかげで、頭でっかちにならずに色んなことを経験してくることが出来ました。

自分がやりたい仕事を見つけるために、近道なんてありません。

日々いろんな経験をして、自分に合っているか合っていないかを、地道に少しずつ探していく方法しかありません。

人生は試行錯誤を繰り返しながら、やりたい仕事って見つかっていくのだとわかってきました。

人生の可能性を広げてくれたことは、幅広いルートを歩いてきたからに他なりません。

やりたい仕事に就けていないという思考は、ゼロサム思考になっています。

なりたいと思った職業に100%就けなかったとしても、60%就けていたらやりたい仕事に就いているのではないでしょうか?

知らない世界を知るためには、やりたいことがない方がむしろ良いのでは?と思っています。

だからやりたい仕事が見つからないってことは、決してダメなことなんかじゃありません。

自分の能力の可能性を広げていくチャンスを逃してしまうからです。

「あれになりたい!これになりたい! 」

自分が生まれた環境や土地柄などで、これしかなれないという人もたくさんいます。

家業を継がないといけないとか、田舎だから都会だけにある仕事が出来ないとかです。

大学進学ができなかったら、学士課程必須の仕事につけません。

あきらめている人は、実はたくさんいるはずなのです。

花は花、動物は動物にしかなれない。
人間はとても欲張りな動物なのです。

選択肢がたくさんあることは、恵まれた環境にいるに違いありません。

なりたい職業が見つからない環境、すなわち、何万とある職種の中からなりたいと思えば何にでもなれます。

そんな環境を与えてくれたことに、ありがたみを感じることが大切なのです。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう