空き家対策特別措置法とは何?空き家の現状は他人ごとではない。ボロボロの実家を今後どうしていくべきか

今、たくさんの新築マンションが建てられていますが、その裏で放置された空き家がどんどん増えています。

2014年7月に発表された「総務省」のデータによると、全国の住居で空き家の数は、なんと820万戸にのぼります。

この数値は全住居の13.5%になり、ほぼ7軒に1軒は空き家ということになります。

東京オリンピックが開かれる2020年には、全国の空き家は1,000戸に達する予定です。

人口減少にともなって、2023年の空き家率は20%を突破、2033年にはなんと30%を超えると予想されています。

実感が沸かないかもしれませんが、これがどんな恐ろしい事態になるのか、想像して欲しいのです。

気がついたら、隣同士が誰も住んでいない空き家サンドイッチ状態かもしれないのです。

誰も住まなくなった家って、メンテナンスしませんからどんどん劣化していきます。

人間も空き家と同じですよね。
お手入れしないと劣化します。

劣化して放置されてボロボロになってしまった家に、とうとう「国からのメス」が入れられることになりました。

荒れ果てて危険な空き家を撤去するためにある法律が施行された

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ニュースでお聞きになられた方も、多いのではないでしょうか?

2016年5月26日より、「空き家対策特別措置法」という法律が全面的に施行されました。

参照: 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」

「空き家対策特別措置法」とは、一体どんな法律かご存知でしょうか?

この法律は、荒れ果てて火災や倒壊などで危険な家を「特定空き家」に認定し、助言・指導をして勧告してもなお放置されたままだと、国が強制的に撤去出来るように定めたものです。

「特定空き家」とは、そのまま放置すれば著しく保安上危険で、衛生上有害であり、かつ景観を損なっている危険な空き家とされています。

倒壊寸前のぼろ家という定義ですが、実は明確な判断基準はありません。

近所でツル科の植物で家全体が支配されていたり、瓦や外壁が崩れ落ちている家を見かけたことありますよね?

住民も瓦が頭の上に落ちてきたら危険ですし、放火されて隣家に燃え移ったら大変な事態になってしまいますから、近所の人の苦情による通報で「特定空き家」に認定されることもあるようです。

そんな家を放置しておいて犯罪の温床になるとのことで、国が対策が必要だと判断したようです。

こんな家、早く撤去しちゃえばいいじゃん!危ないんだから!って言っても、そんなにすぐには撤去出来ない理由があるのです。

なんで家を更地にしないで空き家のままにしておくのか?

空き家をなぜ放置してしまうかというと、家って維持費として多額の固定資産税が必要だからです。

土地に建物があるかないかで、税金額に雲泥の差が出てしまうのです。

上に建物が立っているだけで、住戸1戸につき200平米までの部分について固定資産税が1/6になるという優遇制度があります。

区分固定資産税
空き地(更地)建物がない状態課税標準×1.4%
小規模住宅用地住宅1戸につき200㎡以下の部分課税標準×1/6×1.4%
一般住宅用地住宅1戸につき200㎡を超えた部分課税標準×1/3×1.4%

空き家の場合は課税標準が1.4%なので、土地の広さが200平米で2,000万円とすると、

2,000万円 × 1.4% = 28万円です。

しかし建物が建っていれば1/6ですから、

2,000万円 × 1/6 × 1.4% = 約4万6,600円です。

上モノがあるかないかで、約23万3千円も違ってくるのです。

土地代が高くなればなるほど税金額の差は広がっていきますから、かなりの額が違ってきます。

「税金が安くなるなら、そのまま家を放置しておくか。」

こう考える人も多く、どんどん空き家が増えていってしまったのです。

これが現在の空き家が増えてしまった最大の原因なのです。

この特別な優遇制度をなくしてしまえば、空き家もなくなるのでは?と考えられたのが、今回の特別措置法なのです。

今度の法律によって税金の優遇処置が受けられなくなってしまう

こんなありえない節税ワザを使う人を成敗しようと決められたのが、今回の法律です。

危険で倒壊する家と認定されてしまった家は、1/6に軽減される優遇が受けられなくなってしまいます。

利用予定のない空き家を所有している人は、今までの6倍の固定資産税を納めなければならない可能性があります。

どういうことかと言うと、固定資産税の減免規定の対象外となり、小規模住宅用地であれば1/6減税、一般住宅用地であれば1/3減税が適用されなくなり、それぞれ固定資産税が6倍3倍に増えてしまうのです。

もちろん、すべての空き家の固定資産税額が現在の6倍(あるいは3倍)に増えるわけではありません。

特定空家等と位置づけられ、除却、修繕、立木竹の伐採等の措置について勧告以上の行政処分が行われた場合という条件つきです。

しかし、空き家の持ち主あるいは関係者は、特に注意しておいたほうがよいでしょう。

東京都心では高くなるかもしれませんが、地方では壊した方が税金が安くなる場合もありますから、一概に高くなるとは言えないと思うんですけれどね・・・。

空き家を「再利用」するか、もしくは「売却」するか。

これからの活用法を、本気で考えなくてはならない時が来るのです。

命令に従わなければ、強制撤去で50万円以下の罰金も

措置法の通り、倒壊する危険レベルの家と判断されて撤去する命令が出ているのに放置していると、各市区町村が持ち主に修復しろとか撤去を勧告して命令することが出来ます。

今まで苦情ばかり受け付けてばかりで、実際に指揮命令権がありませんでした。

これが市区町村が自ら出来るようになった点が、今回の法律のポイントです。

「家を直したりするヒマなんてないよ。放置!」

立入検査を拒んで妨げたりした場合は20万円以下の罰金、命令に違反した場合は50万円以下の罰金と強制退去することも可能です。

法律って知らないと、とっても恐ろしいので、なめていると涙をながすハメになるかもしれません。

私の実家は私の年齢と一緒の築年数。他人ごとではない

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実は私の実家は、私が生まれた時に建てられました。
築年数が年齢と一緒なのでとても覚えやすいのです。

でもさすがにもうボロボロで、建て替える費用もないからそのままです。

母は現在ひとり暮らしをしていますが、もし母が亡くなったら実家はどうなるのでしょうか?

東京郊外の田舎にある家なので、通勤にはとても不便な地です。
今と比べると、さすがに移り住むメリットは感じられません。

実家近くにある「多摩の田園調布」とも呼ばれた「聖蹟桜ケ丘」も、高齢になると駅から遠いこと、坂道生活が大変になるためか、現在は空き家だらけでした。

30年後に後悔しない家選び。東京郊外の住みたくて憧れだった街に行ったら空き家だらけだった

自主的に更地にしても、固定資産税の軽減措置がなくなってしまい、負担が逆に増えて困ってしまいます。

ボロボロの家を放置したままだと、朽ち果ててきてご近所迷惑になって法律に引っ掛かってきます。

実兄との相続問題も、さらに問題を根深くしていくことでしょう。

売るか?貸すか?住むか?

それとも、取り壊すのか。

長年の思い出を取り壊すほど、つらいものはありません。

他人ごとと思っていた法律が、実は身近な自分の身に降りかかるかもしれないのです。

自治体によっては、軽減処置が受けられる所もあるので確認を

相続した家をどうするか困っている人、困る人がこれから続出してくることが予想されます。

今の未来を担う若い世代が、今後困らないための対策はないのでしょうか?

困っているだけでは何も解決しません。
すぐに考えて行動することが大事です。

調べてみたところ、自治体によって古い建物を撤去した場合は、何年間か税金の軽減処置が受けられる所もあるようです。

例えば、東京都荒川区では、1981年5月31日以前に建てられた木造建築物を除去する場合は、除去費用の2分の1の額を助成していただけます(ただし1件につき50万円が上限)。

参照: 荒川区「老朽空家住宅除却助成事業について」

古家つきの家を買おうとした事が以前ありましたが、30坪を解体するだけでも約100万円はかかることがわかり、やめました。

100万円あったら、インテリアとか家具とか引越し代になりますからね。

こういった助成制度がもっと増えれば、壊してもいいかな?という人がもっと増えてくるのではないでしょうか?

このような支援策は、探せば全国各地の自治体で行っています。

もし利用予定のない空き家を所有している方は、この法律の施行をいい機会と思って、ぜひ自分の自治体へ問い合わをしてみてくださいね。

取り壊さなくてもメンテナンスさえすれば、まだ住める家はたくさんあります。

家も悲しんでいますから、ぜひお手入れしてあげましょう。

「空き家」が見ていても、「飽きない家」に生まれ変わりますように・・・。

ABOUTこの記事をかいた人

橘 桃音

東京都在住の小学生2人の娘を持つ母。長年の会社員生活を経験したのち独立したお金と不動産と生活家電が大好きなブロガー兼ライター。

このブログでは、人生で大切なお金や家のこと、毎日の生活に役立つことを自分の経験から誰にでもわかりやすくお届けしていきたいです。