2015年7月21日 

30代、40代の働き盛りのうつ病や新型うつ病が急増中。症状をチェックしてあげられるのは周りなんだよ

「もう会社に行くのがつらいから、仕事を辞めたい。」

私の夫は、うつ病でした。

夜はとても元気過ぎるぐらい元気なのに、朝方になるとこの症状です。

夜と朝の表情がまるで別人の症状になるのです。

夫がこの症状に陥ったのが、6年前の大規模リストラがされていた時期です。

今も度々大規模リストラが実施されていますが、当時はメンタルが最悪の状態でした。

特に月曜日の朝は、人が入れ替わったかのごとくひどい表情になっていました。

大規模リストラゆえに残った人に大量の仕事が残されていった

ちょうど私が次女の産休中の時の出来事でした。夫の会社では、大規模リストラが何度も行われました。

研究開発職というただでさえ大変な仕事で、もともと忙しい職場でしたが、リストラによってさらに忙しさが倍増しました。

リストラされる方も大変ですが、残された人達はもっと大変です。

「今日は人が足りなすぎて、帰れないかもしれない・・・。」

私自身は、日夜問わず泣き叫ぶ赤ちゃんの世話で手がいっぱいです。

かといって、夫に代わって何かしてあげられるわけではありません。

「無理しないで帰ってきてね。」

当時はすれ違い生活が続き、こんな電話をたった20秒しかすることが出来ないもどかしい日々がずっと続いておりました。

上司に怒鳴られても文句も言えずに、ひたすら仕事を頑張っていた

毎日会社の食堂で1人さびしく揚げ物だらけの夕食を食べて、夜中に帰ってくる生活が続きました。

帰ってきてからは元気なのですが、朝方なんてもう青ざめて死にそうな表情です。

「今日も隣りの部署の部長に怒鳴られた。何も悪いことしてないのに・・・。」

人員がカツカツゆえに、残された人達はみんな残業を強いられていました。激務の中でみんなイライラがたまって、ストレスだらけなのです。

ストレスのはけ口を夫に向ける上長にも、何も文句を言うことが出来ません。文句を言ってリストラなんてされたら、たまったものではありません。

体も悲鳴をあげながら、心の中まで疲労がたまりにたまっている状態でした。

次第に心の中まで何も感じなくなってしまいました。

とうとう夫の心が粉々に壊れて休職生活に突入

とうとう朝方に、布団から出られなくなってしまいました。夜は異常にハイテンションなのに、朝はダウンしてしまうのです。

小さな赤ちゃんを連れて夫と心療内科を受診した結果、「双極性障害(躁うつ)Ⅱ型」という病名がつけられました。

Ⅰ型よりは症状が軽いのですが、うつ状態とハイテンション状態を繰り返す病気です。

だから夜は異常なほどに元気で、朝方は死んだような表情になってしまうのです。

診断書を書いていただいて、投薬治療をひたすら続けました。当時は薬を飲んで寝て病院に行ってを毎日繰り返しておりました。

今考えると、私の育児休業中は夫の闘病とも戦っていたのですね。もう辛すぎて何をして生きていたのか、今でも全く覚えていません。

現在は治療の結果、何とか回復して元気に働いております。

でもこういった「うつ病」や「躁うつ病」になる人は、我が家だけではないはずです。

我が家のような働き盛りの30代、40代の人達が「心の病」になる人が急増しているのです。

仕事のストレスでうつ病になる患者が10年で2.4倍に急増

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厚生労働省の「患者調査」によると、30代、40代の働き盛りのうつ病になる患者数は10年で2.4倍に急増したそうです。

ぜんぜん先が読めない時代が長すぎて、リストラへの不安など雇用環境の悪化が、働き盛りの人達のうつ病の原因になっています。

リストラ後に残された人達に、どんどんしわ寄せがきてしまっているのです。

さらに仕事だけではなく、住宅ローンや子育てなどに追われてまったく余裕がなくなっています。

職場でも家庭でも、どこでも休める場所がなくなっているのです。これが大きなうつ病を発症する原因となっています。

新型うつ病というわかりづらい病も増加している?!

また最近では、「新型うつ病」という周囲が理解しがたい症状も増加しているようです。

うつで休職しているはずなのに、その間に元気に旅行に出かけていたり飲みに行っていたりと、休んでいる身分なのに家やプライベートでは妙に元気な人達です。

私が思うにやはり躁うつに近い症状だと思うのですが、「病気で休むのは当然だ」と本人が思っていたとしたら、当然のごとく周囲の怒りや反感を買うことでしょう。

うつ病は一見するとわかりづらいことが多く、実は職場で元気でも家で元気がないとか周りが気をつけていないとまったく発見できない病気だったりするのです。

病気なのかはまったくわかりませんが、これからますます対策が必要になってくることでしょう。

うつ病はみんなの問題。周りの人達が気づいて声をかけていこう

働き盛りの世代への「うつ病」への対策は、これからは必要不可欠の社会問題になっています。

会社は人間が「資本」であり、人の心の元気がなければ企業の生命線に関わってきます。

メンタルヘルスなどの講習などを開いたり、産業医を設置するなどの対策をする所が増えてきていますが、大企業の1部だけでしょう。

もっと企業側では「ストレス診断」を義務化するなど、本気でうつ病対策をしていくことです。

復職しやすい環境の整備などをしていくことが、現在のストレス社会にはとても大事です。

実は周りが気づかずに、「うつ病」にかかっている人がいるかもしれません。

本人はストレスが溜まりすぎていると、疲れていることにも気づいていないことが多いのです。

「最近悩みとかない?ちゃんと眠れている?」

周囲の人達が、ちょっとした普段の様子と違うところに気づいてあげることが、最悪の事態を防ぐことが出来ます。

うつ病は他人ごとではありません。
あなたの身近な問題でもあるのです。

そしてみんなが取り組んでいかなければならないとっても重要な問題です。

まずは周囲が「うつ病」に対して、誰もがかかる病であると理解しましょう。

それが働き盛りの人達の心を救い、生きることへの希望につながっていきます。

1人で抱えて無理しちゃだめだよ。
つらかったら周りに言うんだよ。

弱音を周囲に吐くことが、とっても大事なのです。

誰もが心から楽しく働きやすい社会になりますように。
1人でも多くの人が生きやすい世の中になりますように。

うつ病の家族を持った経験者として、心の奥底から願っています。

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